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第9課 聴覚しょうがい者用:山地 宏

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2016年 第1期 反逆と贖い
第9課 大争闘(だいそうとう)と初代教会(しょだいきょうかい)

1.はじめに 2月20日(安息日午後)
今週は、初代教会(しょだいきょうかい)のはじまる前に、弟子たちの中にあった先入観(せんにゅうかん)や偏見(へんけん)のことをまず考えます。先入観というのは、人の頭の中にすでに入り込んでいる考え方のことです。これがあると新しいものを見るときに、それを素直(すなお)に見ることができなくなったり、物事(ものごと)に対して自由な見方(みかた)ができなくなったりしてしまいます。思い込みで、人や物を見てしまうようになってしまいます。
偏見(へんけん)というのは、かたよった見方(みかた)のことです。ある人や人々に対して、よく知りもしないで悪く思うことも、偏見の一つです。
サタンは、この先入観や偏見を、初代教会の時代に生きていた人々の中に植(う)え付(つ)けていました。弟子たちの考え方の中にも先入観や偏見がありました。弟子たちの中から間違った先入観や偏見を取り除くために、イエス様がどのようなことをなさったのか、そしてその結果(けっか)、どんなすばらしいことが初代教会で起こったのかを見ていきましょう。

2.新しい始(はじ)まりの始まり 2月21日(日曜日)
弟子たちがどれほど先入観(せんにゅうかん)によって、間違った思い込みをしていたかがわかる言葉が使徒言行録(しとげんこうろく)1章6節にでてきます。イエス様は復活(ふっかつ)してから40日のあいだ、たびたび弟子たちの前に現れて、神の国について話しをし、教えられました。ですから、イエス様が天にお帰りになるころには、弟子たちはイエス様のこれからのお働きについて、さぞかしよくわかっていただろうとわたしたちは思うかもしれません。しかし、イエス様が天にお帰りになる直前(ちょくぜん)になっても、まだ、弟子たちは、イエス様がこれからローマを倒して、イスラエルのために国を作ってくれるのだろうと考えていたようです。「主よ、イスラエルのために国を復興(ふっこう)なさるのは、この時なのですか」と弟子たちはイエス様に質問しています。救い主が来たら、イスラエルのために国を取り戻してくださるんだ、という思(おも)い込(こ)みから、弟子たちはなかなか離れることができなかったようです。
この弟子たちの間違った思い込みを正しい考え方になおすことよりも、イエス様はご自分が王として来られる準備(じゅんび)のために弟子たちに必要なのは聖霊(せいれい)を受けることだと言いました。たしかに、弟子たちにとっても一番大切だったのは、イエス様が王様として支配する国が早く本当のことになることでした。それを、その時の彼らの考えられる一番身近(みぢか)なこととして表現(ひょうげん)すると、ローマを倒して新しいイスラエルの国を作ってイエス様を王様として迎えるということだったのかもしれません。いずれにしてもイエス様を王様として迎える準備のために、彼らに一番必要なものは、聖霊に満たされて、聖霊の神様の導かれるままに働くものとなることでした。そこからすべてがはじまる必要がありました。

3.五旬祭(ごじゅんさい) 2月22日(月曜日)
イエス様が天に昇(のぼ)られたあと10日間、弟子たちはイエス様と一緒に過(す)ごした日々(ひび)を思い出していました。また、聖書に書かれていることとイエス様が言っておられたことを思い返し、聖霊を求めて心を合わせて祈っていました。そして、10日たった五旬祭(ごじゅんさい)の日に舌のようなものが、炎(ほのお)のように分かれて現(あらわ)れ、弟子たちひとりひとりの上にとどまりました。すると、そこにいた弟子たちは皆聖霊に満(み)たされて、いろいろな国の言葉でメッセージを話し始めました。この時は、ちょうど五旬祭(ごじゅんさい)のお祭りのときでしたので、このために遠くから旅をしてエルサレムに来ている人がいました。また、信仰に熱心なユダヤ人の中には、外国からエルサレムに引っ越してきた人たちもいました。そういう人たちは、自分達が住んでいた外国の言葉で、弟子たちのメッセージを聞いたので驚きました。そして、メッセージを聞いて3000人ほどの人たちが神様を信じて弟子たちの仲間になりました。
ノアの洪水(こうずい)のあと、2度と水で世界を滅(ほろ)ぼさないと約束された神様の言葉を信じないで、人々は自分達の力で洪水から逃(のが)れようと考えてバベルの塔(とう)を作ろうとしました。大争闘的(だいそうとうてき)に考えるなら、サタンがその時代の人たちをそそのかして、バベルの塔を作らせようとしたのです。その結果(けっか)、神様は人々の言葉を乱(みだ)して、人々が世界中にばらばらになるようにされました。五旬祭の日に起こったことは、バベルの塔のときに起こったことと、まったく逆(ぎゃく)のことでした。つまり、ばらばらの言葉を話す人たちを神様は集め、一つのメッセージを聞かせ、神様を信じる一つの民を作られたのです。

4.サドカイ派(は)の人々に立(た)ち向(む)かう 2月23日(火曜日)
「美(うつく)しの門」のところで人々から施(ほどこ)しをもらっていた、足の不自由な人を、ペトロとヨハネがイエス・キリストの名によっていやしました。このことは、弟子たちに対するサドカイ派(は)の人たちの敵意(てきい)をつよくすることになりました。サドカイ派の人たちは復活を信じていませんでした。反対に、弟子たちはイエス様が復活したと言(い)い広めていました。復活について全(まった)く反対の意見を持っている弟子たちがいやしの奇跡(きせき)を行ったことで、サドカイ派の人たちは、イエス様の復活を信じる人が増えてしまうことを恐れたのです。イエス様の復活を信じる人が増えるということは、「復活なんかない」という自分達の教えが、人々から相手にされなくなるということを意味していました。それで、サドカイ派の人たちは、ペトロたちをおどして、イエス様のことを人々に話してはいけないと命令しました。
聖霊の働きによって、イエス様を信じる人が増え始めると、サタンは弟子たちが伝道することができないように、サドカイ派の人たちを使って、力(ちから)づくで押さえつけようとしました。しかし、この時は神様の守りによって、弟子たちはまだ自由に活動することができていました。

5.ステファノの石打(いしう)ち刑(けい) 2月24日(水曜日)
サタンの力(ちから)づくのじゃまは、使徒(しと)であったペトロやヨハネ以外の信者たちにも向けられました。サタンはついに迫害(はくがい)によって、伝道の働きを完全にやめさせようとし始めました。使徒言行録(しとげんこうろく)7章の最後には、信者のリーダーの一人だったステファノが、ユダヤ人たちによって殺されたことが書かれています。しかし、この時、ステファノを殺した人たちの仲間だったサウロを、その後、神様は選(えら)んで伝道者としました。サタンの側にいた迫害者(はくがいしゃ)だったサウロを、神様は回心(かいしん)させ、ご自分の側(がわ)に立つ伝道者となさいました。

6.態度(たいど)を変える 2月25日(木曜日)
伝道の働きをじゃまするもう一つのものとして、サタンは時間をかけて異邦人(いほうじん)に対する偏見(へんけん)をユダヤ人の間に植(う)え付(つ)けてきました。弟子たちもその影響を受けていました。イエス様は異邦人に対する弟子たちの偏見を取り除くために、サマリア人の女性に話しかけるなど、異邦人との関(かか)わりを弟子達に見せてこられました。そして、天にお帰りになる前に、大宣教命令(だいせんきょうめいれい)として、すべての民をイエス様の弟子にするように言われました。この命令が実行され、全世界に福音が伝えられるためには、異邦人に対する偏見が取(と)り除(のぞ)かれる必要がありました。使徒言行録10章に出てくる、ヤッファでペトロが見た幻(まぼろし)と、コルネリウスとの出会いは、初代教会の中にあった、異邦人に対する偏見を取り除くきっかけとなりました。そして、初代教会が世界中に福音を伝える道が開かれていきました。