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第1課 聴覚しょうがい者用:磯部豊喜

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2016年 第1期 反逆と贖い
第1課 天における危機(きき)

1.はじめに
2015年と2016年の両岸(りょうがん)を渡る1週間がやって来ました。あなたはどんな思いで、1年のバトンを渡そうとしていますか。一年のバトン渡しを思うとき、私は次の聖書の言葉を思います。「だれでもキリストにあるならば、その人は新しく造(つく)られた者である。古いものは過ぎ去った、見よ、すべてが新しくなったのである。」(Ⅱコリント5:17口語訳)
過去の栄光を誇(ほこ)ることなく、また過去の失敗を引きずることなく、つまらないものは削り、大切なものは残していく、そのような信仰者でありたいと願うものです。さて、今週より、「エレミヤ書」から頭を切り替えて、「反逆(はんぎゃく)と贖(あがな)い」というテーマを学ぶことになります。
今回の学びの底(そこ)に流れている主題(しゅだい)は、「大争闘(だいそうとう)」です。私たちの救いの計画を、神様と悪(あく)魔(ま)の戦いの姿を追(お)いつつ学びます。終わりの時が迫(せま)っている今、これは私どもにとっては、とても大切な学びになることでしょう。祈りをもって、このガイドを通して、ご一緒(いっしょ)にみ言葉の光に触(ふ)れていきたいと思います。
 
2.天における堕落(だらく) 12月27日(日)
 「大争闘(大(おお)いなる戦い)」・・・これについて教会指針(ししん)の中にある「アドベンチスト教会の信仰の大要(たいよう)」には、次のようにまとめられています。
「すべての人間はキリストとサタンの大いなる戦いに巻(ま)き込(こ)まれている。それは神の品性と律法および宇宙に対する主権(しゅけん)(*一番上に立つ力)をめぐる戦いである。この戦いは天において、選択(せんたく)の自由を与えられて造られた存在(そんざい)が、自らを高くすることによって神の敵サタンとなり、一部の天使たちを反逆(はんぎゃく)へと誘(さそ)い出したときに始まった。サタンはアダムとエバに罪を犯(おか)させ、世界に反逆の精神をもたらした。この人間の罪は、人間のうちにある神のかたちをゆがめ、造られた世界の秩序(ちつじょ)(*正しい状態(じょうたい)に保(たも)つための決(き)まり)を乱(みだ)した。そして、ついには世界的な洪水(こうずい)が起こり、荒廃(こうはい)状態(じょうたい)(*荒れ果(は)てた姿)を生じさせることになった。世界は、造られたものすべてが注目(ちゅうもく)する宇宙的(うちゅうてき)な戦いの舞台(ぶたい)となった。この戦いを通して、神は愛であることが究極的(きゅうきょくてき)(*いきつく最後のこと)に擁護(ようご)(*敵に害を受けないように守る)される。キリストはこの戦いの中にあるご自分の民のために、聖霊(せいれい)と忠実(ちゅうじつ)な天使をつかわし、救いの道を歩(あゆ)む彼らを導き、守り、支えられる」(「教会指針(ししん)2010」p203-204、*下線(かせん)は筆者の注(ちゅう))。
「大争闘」は、天から落ちた一人の天使によって始まりました。この天使は「ルシファー」と呼ばれ、神様に次(つ)いで高い位(くらい)を与えられた天使でした。神様が彼を造り、守護(しゅご)天使(てんし)「ケルブ」と呼ばれるほどに高い位を与えられた者であったのに、彼は高ぶってしまいました。
天国という所の一番の特徴(とくちょう)は、高い立場(たちば)に置(お)かれた者こそ、へりくだることが期待(きたい)される世界です。「実(みの)るほど頭(こうべ)を垂(た)れる稲穂(いなほ)かな」という言葉があるように、育(そだ)てば育つほど、謙遜(けんそん)の心を育てるところが天の世界です。しかし「ルシファー」の場合(ばあい)はそうではなく、神様よりも高い者になりたいという思いを持ってしまったのです。これが「堕落(だらく)」の始まりです。彼はそのために神様に反逆(はんぎゃく)し、悪い者になったので天から追(お)い出されました。

3.この世の支配者(しはいしゃ) 12月28日(月)
 「ルシファー」は「サタン(神に敵対(てきたい)する者))」となり、私どもの住むこの地球に落とされました。イエス様はサタンを「この世の支配者(しはいしゃ)(口語(こうご)訳(やく)では「この世(よ)の君」)」と呼びました。ところで「この世の支配者」という言葉(ことば)ですが、最初は私どもの祖先(そせん)のアダムに与えられたものでした。それは彼が、すべての生(い)き物(もの)の名(な)づけ親になり、かつすべての生き物の管(かん)理者(りしゃ)としての立場(たちば)に置(お)かれていたからです。「地を従(したが)わせよ。また海の魚と、空の鳥と、地に動くすべての生(い)き物(もの)とを治(おさ)めさせよ」(創世記1:28下句(げく)口語訳)のごとくです。しかしアダムはエデンの園(その)においてサタンの誘惑(ゆうわく)に負けてしまったために、「この世の支配者」としての立場(たちば)を失(うしな)い、サタンがその立場を奪(うば)いとってしまいました。

4.天における戦(たたか)い 12月29日(火)
 「大争闘(だいそうとう)」は天から始まったのですが、黙示録(もくしろく)12:7~16によれば、その舞台(ぶたい)がこの地上の世界に持ち越されていることが分ります。サタンを現(あらわ)す「赤い龍(りゅう)」が「女の子(イエス)」
を食べようとしたり、「男子を産(う)んだ女」を追いかけたり、「女の残りの子ら」に戦いを挑(いど)んだりとあります。女は「神の民の象徴(しょうちょう)」であるとガイドにありますが、ここで覚(おぼ)えて置きたいことは、どの場面(ばめん)に置かれても、「神の民」はサタンから守られているということです。

5.サタンは追放(ついほう)された 12月30日(水)
 しかしそれでもサタンは人間にとっては、侮(あなど)ることのできない存在(そんざい)です。サタンもその御使(みつか)いたちも堕落(だらく)したとはいえ、大きな力を持っています。このサタンとサタンと共(とも)に堕落した天使たちが、この世界にいます。「悪(あく)天使らに囲(かこ)まれたサタンは、神であると自称(じしょう)して、できるなら神の選民(せんみん)さえも惑(まど)わそうと、あらゆる種類(しゅるい)の奇跡(きせき)を行う。神の民が奇跡を行なうことは安全ではない。サタンがその奇跡をまねるからである」(教会への勧告(かんこく)上76ページ)とサタンの働きが警告(けいこく)されています。ですが私たちはサタンの力をあまりにも大きく考える必要はありません。「かつてなかったほどの悩みの時のさ中(なか)にあっても、神の選民(せんみん)は動揺(どうよう)しない。サタンとその軍勢(ぐんぜい)は彼らを滅(ほろ)ぼすことはできない。のすぐれた天使たちが彼らを保護するからである」(同78ページ)。ガイドにも「敵に勝(まさ)る力は、イエスが十字架によって勝(か)ち取られた勝利によってのみ得(え)られます。…イエスにあって、神の民は勝利する存在(そんざい)です。サタンが消滅(しょうめつ)することは確実(かくじつ)です。『この世の支配者(は)追放(ついほう)され』(ヨハネ12:31)、神の民に再(ふたた)び害(がい)を及(およ)ぼすことは、決してありません。私たちは、この戦いが主のものであることをたしかに喜ぶことができます!」(ガイド8ページ)と書かれています。したがって私どもに大切なことは、キリストへの信仰をしっかりと持ち続けることです。

6.継続(けいぞく)している戦い 12月31日(木)
ペテロは次のように警告(けいこく)を与えています。「身(み)を慎(つつし)み、目をさましていなさい。あなたがたの敵である悪魔(あくま)が、ほえたけるししのように、食(く)いつくすべきものを求めて歩(ある)き回(まわ)っている」(Ⅰペテロ5:8【口語訳】)と。しかし、「神は誠実(せいじつ)であり、彼らが直面(ちょくめん)したいかなる困難の中にあっても自分たちを支(ささ)えておられる、と積極的(せっきょくてき)にあかししています。この大いなる戦いにおいて、私たちは孤独(こどく)ではありません」(ガイド9ページ)との言葉には励(はげ)まされます。主イエス様の側(がわ)に立つとき、「勝利は我(われ)にあり!」となるのです。