聖書研究ガイド今週のポイント
2010年 第3期 「ローマの信徒への手紙」における贖い

第13課 ほかはすべて注釈

久保 司

*「注釈」とは、その文章やテキスト(ローマ1〜13章までの)の意味をわかりやすく解説する事であり補足するものである。また、「注釈」は、背後にあるものまで解読する作業でもあるので、これまで学んだ救いの基本的な原則について把握していないといけない。「信仰による義」の原則に従い、「愛によって働く信仰」を実践し、「神の本質は愛である」事に立脚して、神と隣人を愛する事の真実を確かめてゆきたい。

1.隣人を裁いてはいけない

・ 「信仰の弱い人」とは:ローマ14:1の「信仰の弱い人」とは、決してベジタリアンがそうであるというのではない。それは、自分の生き方に迷い、判断が出来にくく、何かにおびえているかのごとくに気にしているような、確信の無い状態を示している。またそれは、初心者だからというわけでなく、過度に用心深い人たちにも言える事である(气Rリント8:4〜13参照)。

・ 裁く事は私たちの分ではない:他者を裁く事には、批判や軽蔑が含まれる場合が多い。私たち罪人の本質は、自己中心であって常に自己満足へと導かれる弱さがある。はたして、そんな私たちが他者を裁く事が出来るだろうか。ローマ14:4において、「他人の召使いを裁く」ことについて書かれているが、これは大変非常識であり越権行為である。召使い(キリスト者)を裁くのは主人(神)であって、召使いが、他の召使いを裁くのは本末転倒である(全ての人類を対象に、罪人が罪人を裁く事も同様)。正しく裁くのは神であり(マタイ7:1〜5)、私たちの分は、神を愛し、隣人を自分のごとく愛する事である(マタイ22:37〜40)。

・ 自分を棚の上に置かない:私たちは皆「神の裁きの座の前に立つ」存在である(ローマ14:10)。私自身も裁かれる者であり、そのような囚人が、囚人を裁くような、あり得ない事が赦されるはずがない。人は皆、罪深く、その行いも、言葉も(どちらも人から出る)汚れていて、愛の無い言動は必ず他者を傷つけてしまう(マルコ7:14〜22)。そのことを覚えて、決して自分を特別扱いする事なく、神の言葉に養われてゆきたい。

2.隣人を誘惑してはいけない

・ 自分の良心、他者の良心:聖霊は私たちの良心や理性にさりげなく働きかけて下さると言われている。だから、その働きに後押しされて、本来「悪の傾向」を持つ私たちは、その誘惑に逆らい、善い行いをすることができるのかもしれない(聖霊は私たちをイエス・キリストに導く働きをされるので、自己主張する事なく、私たちの心に働きかけて下さり、思いを起こして下さる)。だから、良心の呵責を感じる時は注意する必要がある。しかし、その度合いは、各人それぞれ違うものであり、信仰の成長もそれぞれである事を覚えておかなければならない。他人の良心についてとやかく言う必要は無い。そこは神が働いて下さるところだからである。決して、その心に土足で踏み込むようなまねをしてはいけない。他者の思いを尊重し、傷付ける事無く、その人に確かに働いて下さっている神に信頼するべきだと思う(ローマ14:14)。

・ 尊重と受容:他者を尊重し、その思いを受け入れる事は、必ずしも、どんな事があっても従わなければならないというのではない。それは、たとえ自分と違った思いや感覚であったとしても、「そのような考え方や捉え方もあるのか」という柔軟な学ぶ姿勢が大切である。しかし、明らかに罪や悪意がある事を容認するのではない。その場合は、祈りつつ、神の御旨を求め、必要ならば適切な注意や譴責を行なう勇気が必要であると思う(ローマ14:17〜20)。また、他者の信仰やあり方を批判し問題にするのは、自己の信仰に対して確信がない証拠であると言われている。この確信とは、自分勝手に確信するのではなく、神の御旨を理解して、確かであると確認できる事であり、今まで学んできた「信仰による確信」について示している(ローマ14:22)。

3.「特定の日」とは

 ローマ14:4〜10の中に「特定の日」についての言及がある。これは「ユダヤの祭」(祭儀律法)の事であり、パウロが注意を促す「律法主義」に_がる。「特定の日」の中に、道徳律である「安息日」は含まれてはいないと考えられる。なぜならパウロ自身が「安息日」を軽視してはいないからである。むしろパウロは、律法の本質(愛)を踏まえつつ、イエスの教えと模範に従い、正しい律法理解のもとで、律法を重視している。

4.神に栄光を帰する

・ 祝福の祈り:パウロは、この手紙の終わりにあたり、真理の確認と神に捧げる讃美を掲げている。それは「隣人を自分の様に愛しなさい」(マタイ22:38)である。私たちは互いに、助け合い、支えあい、担い合い、他者の思い(喜びも、悲しみも、苦しみも)が自分の思いとなるような、真の同情と、共に心や信仰が成長させられる事を望みたい(ローマ15:1〜3)。

・ 神への讃美:パウロは、神を信じる者の聖い一致と、神によってもたらされる希望、信仰、平和、喜びが、聖霊によってもたらされ、神が私たちといつも共におられる事を感謝しつつ(ローマ15:5、6、13、33)、輝かしい讃美を神にささげて手紙を締めくくっている。私たちも、神を心から讃美しながら信仰の道を歩み続けてゆきたい(ローマ16章)。



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